こころの悩み

MENTAL
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神経発達症(発達障害)

発達の進み方が特徴的で周囲の理解が必要な疾患

「脳機能の発達が関係している、生まれながらの障害」というのが、神経性発達症(発達障害)の定義です。幼少時から典型的な傾向が見られ、早期に気付かれる人もいれば、周囲から変わった人と思われ、本人も生きにくさを感じながらも、なんとか社会生活を営んでいる人もいます。
神経発達症(発達障害)は主に3つに分類されますが、神経発達症(発達障害)の方は、全般にコミュニケーションや対人関係を作るのが苦手です。複数の障害が重なって現われることも多く、障害の程度や年齢、生活環境などによっても症状の現れ方は異なります。
大切なことは、親のしつけや教育の問題、本人のわがままなどではなく、脳機能の障害によるものだと理解することです。周囲が理解し、接し方や環境を変えることで本来持つ力が発揮できるようになります。

神経発達症(発達障害)のタイプ

3つの神経発達症(発達障害)の特徴をそれぞれ以下に述べますが、これらの特徴・症状があっても、本人や周囲が困っておらず、問題なく学校・社会生活が送れているのであれば、それは「障害」ではなく、「個性」です。

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラムは、「広汎性発達障害(PDD)」とほぼ同じ概念を指し、「自閉症」、「アスペルガー症候群」、「特定不能の広汎性発達障害」などがこの中に含まれます。

CHECK!

「自閉症スペクトラム」にはこんな症状が現れます

  • 人とのかかわりが苦手
  • 空気や場が読めない
  • 言外に含まれる意味を汲み取れない
  • 刺激に反応しやすい
  • 感情を爆発させやすい(または抑圧しやすい)
  • 予定外のことに臨機応変に対応できない
  • 規則性や秩序に極端にこだわる
  • 知覚が非常に敏感(または鈍感)
  • あいまいさが苦手で白黒つけたがる
  • 身体を使うことが苦手で不器用
注意欠陥多動性障害(ADHD)

「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの要素が見られる神経発達症(発達障害)です。周囲には障害として理解されにくく、粗暴で落ち着きのない子と思われたり、大人の場合は、集中力がなく自己管理ができないという否定的な評価をされてしまいがちです。

CHECK!

「注意欠陥多動性障害」にはこんな症状が現れます

  • 長時間じっと座っていられない
  • 気が散りやすく、集中力が続かない
  • 今やるべきことと違うことに手を出す
  • 失くし物や忘れ物をしやすい
  • 約束を守れない、間に合わない
  • 事前によく考えて行動できない
  • ケアレスミスが多い
  • 部屋を片付けるのが苦手
  • 思ったことをすぐ口にする
  • 衝動買いをしやすい
学習障害(LD)

全体的な知的発達に関しては、特に問題が見られるわけではありませんが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する、または推論する」能力のうち、特定の分野を習得することや使うことに著しい困難を示す神経発達症(発達障害)です。

CHECK!

「学習障害」にはこんな症状が現れます

  • 人の注意をうまく理解できず同じ失敗をする
  • 文章のどこを読んでいるのかよくわからなくなる
  • 誤字脱字やスペルの間違いが多い
  • 電話を聞きながらメモを取れない
  • 会議録やレポートが書けない
  • 漢字を覚えるのも書くのも苦手
  • 文字の形や大きさがバラバラになる
  • お釣りの計算や金銭管理ができない

気になる項目がある方は当クリニックにご相談ください。

当クリニックの治療

当クリニックでは、基本的に成人の方の神経発達症(発達障害)を治療しています。症状の現れ方が神経発達症(発達障害)の種類と個々により異なるので、社会性、コミュニケーション、想像力などについて、適応困難の程度をきめ細かくチェックし、治療方針を決定していきます。
たとえば相手の気持ちを汲み取ることが苦手な自閉症スペクトラムの方が営業職に就くのは無理があります。しかしデータの分析などなら誰よりも根気強く正確に仕上げられるかもしれません。注意があちこちに向きがちな注意欠陥多動性障害の方は、タイマーを活用することで社会生活がスムーズになることもあります。学習障害の方は、苦手な分野の能力を必要としない職種選びが大切です。このように、神経発達症(発達障害)は、周囲の理解によって状況がよくなることが多々あります。
そのため当クリニックでは、生活のどういう側面でお困りなのかを臨床心理士が詳しく伺い、適切な診断の上、ご本人の特性がプラスに生かされるように、丁寧な解説と支援を行います。
また自閉症の方は特に、他人の意図を読んだり、自分の気持ちを整理して話すことが苦手な傾向にありますので、カウンセリングにおいては、経験豊富な臨床心理士が安心できる環境で、ゆっくりと、言葉にするのをお手伝いいたします。

神経発達症(発達障害)の治療の流れ

成人で神経発達症(発達障害)について診断や支援を希望される方へ、当クリニックの基本的な診断、支援の流れをご紹介いたします。

STEP1.予約
電話でご予約をお願いいたします。
STEP 2.初診
ご来院後、質問シートにご記入いただき(30~60分)、その質問シートをもとに臨床心理士による面接を行います(60~90分)。
その後、医師による診察と今後の流れを説明いたします。
STEP 3.構造化面接
初診の結果、詳細な検査を受けていただくことが望ましいと診断された方は、ご予約の上、後日、構造化面接を行います。検査時間は個人差がありますが、1回90分×1~4回くらいです。
STEP 4.発達検査
初診と構造化面接の結果、さらに詳細な検査が必要または有効と思われた方は、ご予約の上、後日、発達検査を行います。必要な時間や回数は個人差がありますが、全体で2時間程度かかるため2回に分けて実施する場合もあります。
STEP 5.診断と支援
面接や検査の結果にもとづき、発達検査終了後1週間後以降に、臨床心理士が診断や検査結果の説明を行い、医師が診察・診断と今後の治療方針の説明をいたします。状況と必要に応じて、診察、薬物療法、心理面談(有料)を行います。

※初診の結果やご要望により、「構造化面接」や「発達検査」は行わない場合もあります。※費用などの詳細やご不明な点は当クリニックスタッフまでお気軽にお尋ねください。

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